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一部の直腸がん患者では、化学療法や放射線治療、手術を受けずに治療できる可能性が出てきた。米食品医薬品局(FDA)は10月19日、これまでに治療を受けていない特定の成人直腸がん患者に対し、免疫療法薬のJemperli(一般名:ドスタルリマブ)の使用を承認した。
直腸がんの標準治療では、化学療法と放射線治療を行った後に手術を行うことが多い。しかし、こうした治療によって、排便や排尿、性機能に長期的な問題が生じることがあるほか、妊娠・出産に関わる生殖機能にも影響が及ぶ可能性がある。また、患者によっては、腹部に便の排出口を作り、袋に便をためる永久人工肛門(ストーマ)が必要になることもある。
FDA Oncology Center of Excellenceの責任者であるAngelo de Claro氏は、「直腸がんの標準治療は、患者のその後の生活を大きく変えてしまうことがある。今回の承認により、特定のタイプの直腸がん患者に対して、手術や放射線治療、化学療法を回避できる画期的な治療の選択肢がもたらされた」と述べている。
今回、Jemperli使用の対象となるのは、未治療のステージ2またはステージ3の直腸がんを有する成人患者である。これらのステージでは、がんが周囲の組織や近くのリンパ節に広がっているものの、離れた臓器への転移は認められない。この薬による治療を受けるには、FDAが認可した検査により、腫瘍がミスマッチ修復機能欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)であることが確認されている必要がある。FDAによると、局所進行直腸がんの約3%がdMMRまたはMSI-Hであるという。
今回の承認は、未治療の局所進行直腸がん患者154人を対象とした臨床試験の中間結果に基づいている。この試験では、3週間ごとに6カ月間、最大9回にわたって患者にJemperliを点滴投与した。その結果、追跡期間の中央値が2年を超えた時点で、患者の約4人に3人は手術、放射線治療、化学療法を受けずに済んでいた。
また、米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターが以前に実施した研究では、未治療のdMMRまたはMSI-H局所進行直腸がん患者50人にJemperliを投与した。その結果、治療後には全ての患者でがんの兆候が認められなくなった。また、93%の患者が少なくとも12カ月間、がんが検出されない状態を維持していた。3年以上追跡した27人のうち、がんが再発したのはわずか1人だった。
Jemperliを製造するグラクソ・スミスクライン(GSK)の最高科学責任者、Tony Wood氏は、今回の承認について、「患者一人一人に合わせた、より個別化された医療の実現に向けた重要な一歩だ」と評価している。
FDAは今回、Jemperliを「迅速承認制度」に基づいて承認した。この制度は、初期の臨床試験で有望な結果が得られた治療薬を、通常よりも早く患者が使用できるようにするものだ。今後、GSKは患者の追跡調査を継続し、治療効果が長期にわたって持続することを示す必要がある。現時点では、長期的にどの程度の患者でがんが再発するのかは明らかになっていない。(HealthDay News 2026年10月20日)























