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米食品医薬品局(FDA)は10月1日、植込み後に拡張できるよう設計された初の心臓弁「Autus Size-Adjustable Valve」(以下、Autus弁)を承認した。この人工弁により、特定の先天性心疾患を持って生まれた小児が受ける開心術の回数を減らせる可能性がある。
Autus弁は、心臓から肺への血流を調節する肺動脈弁に先天性の異常がある小児を対象としている。先天性心疾患は米国で最も多い先天異常の1つであり、約100人に1人の乳児に認められる。米疾病対策センター(CDC)によると、肺動脈弁狭窄症と肺動脈閉鎖症を合わせると、先天性の肺動脈弁疾患は米国で毎年約4,200人の乳児に発生している。
血流は治療によって改善できるが、一部の小児では肺動脈弁を通して血液が逆流する肺動脈弁逆流症が残る。そうした児では、時間の経過とともに逆流した血液が右心室に負担をかけ、右心室が拡大して肺動脈弁置換が必要になることがある。
現在の人工弁は大きさが固定されているため、小児が成長すると弁の大きさが合わなくなることがある。また、弁は一般に動物組織から作られており、劣化する可能性がある。そのため、再手術が必要になることが多い。
FDA医療機器・放射線保健センター長のMichelle Tarver氏はニュースリリースで、「先天性心疾患を持って生まれた小児では、弁置換術を行うタイミングは常に難しい判断であった。手術を遅らせ過ぎると害を及ぼすリスクがある一方、あまり早く行えば、成長に伴って複数回の開心術が必要になる可能性がある」と述べている。
Autus弁は、幼児や就学前の小児にも植込み可能な約13 mmのサイズであり、成長に合わせて、血管内に通したバルーンカテーテルを使って最大22 mmまで広げることができる。これは成人の肺動脈弁に近い大きさである。従来の弁は、主に動物由来の組織を使用していたが、小児では硬化や劣化が早く、早期の再手術が必要となる場合が少なくなかった。Autus弁では、動物組織ではなくポリマー素材が使われている。ポリマー製の弁尖素材を使用した弁がFDAの承認を受けたのは、今回が初めてである。
今回の承認は、米国の12病院で小児62人を対象に行われた臨床試験のデータに基づいている。最初の60人では、6カ月後の追跡調査時点で心臓の右側の血流が許容範囲内にあり、弁からの逆流も軽度以下だった。安全性に関しては、全ての試験参加者で手術が成功し、死亡、追加治療を必要とする血栓、脳卒中、そのほかの血栓関連合併症は認められなかった。一方、3人では弁のフレームの破損が、2人では弁尖の1枚の動きの低下が認められたが、いずれも症状は生じなかった。成長によって弁の大きさが合わなくなり、性能が低下し始めた2人の小児では、侵襲的な外科手術をせずに弁を広げることができた。
ただし、弁の拡張に関する臨床データはまだ限られており、現在、より長期の研究が進められているところだとFDAは説明している。
なお、Autus弁は、最もリスクの高い医療機器に用いられるFDAの最も厳格な審査手続きである市販前承認を受けた。また、それ以前に、重篤な疾患に対する有望な医療機器の審査を迅速化するブレークスルーデバイス指定を受けていた。(HealthDay News 2026年10月2日)
Press Release
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-heart-valve-designed-grow-children






















