
セミナー会場風景
英国CROのリッチモンド・ファーマコロジーは10月14日、東京都千代田区一番町の駐日英国大使公邸で、英国を起点としたグローバル臨床開発戦略をテーマにセミナーを開いた。製薬企業、バイオテック、規制当局・アカデミア、投資家など58組織から86人が参加。患者アクセスや規制当局との早期対話、開発段階に応じた実施体制などを議論した。
リッチモンド社執行会長兼共同創業者であるJörg Täubel氏は、医薬品開発の長期化により費用が膨らむだけでなく、特許の残存期間が短くなり、資金不足による開発中断や患者への治療提供の遅れにもつながると問題提起。承認取得や海外展開、ライセンスアウトなどの最終目標から逆算し、次の資金調達や提携に必要な臨床データを早期に得る重要性を訴えた。
また、臨床データを得るための試験実施にあたっては、患者登録能力の高い施設に試験を集約することで、患者登録につながらない施設の契約・管理等に要する負担を抑えるほうがよいと提案した。
さらに、開発段階に応じた実施体制の使い分けにも言及。初回ヒト投与や第I相試験では、臨床薬理や安全性評価に精通した専門チームと患者登録力のある施設を活用し、多国間で行う大規模な第II、III相試験では、地域ネットワークや国際的な管理能力を備えた体制へ広げていく必要があるとの見方を示した。
英国の開発環境の強みについては、医薬品規制当局との早期対話が可能なことに加え、大学・専門病院、診療情報、高度な研究技術などの基盤があることを挙げた。その上で、試験開始前から科学的根拠や安全対策について規制当局と意見を交わし、規制要件を把握することで、申請時の手戻りなどを減らせる可能性があるとした。
セミナー後半はパネルディスカッションが行われ、日本、英国、欧州の薬事、研究倫理、統計、臨床開発の専門家が登壇。英国の早期臨床試験、遺伝子編集試験における患者アクセスと安全対策、英国から欧州への展開、海外で先行開発した製品の日本導入などをテーマに意見を交わした。英国で取得した初期臨床データは製品や開発計画ごとに検討する必要性があること、また次の開発を見据えた試験設計の重要性が共有された。
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