
プロジェクト概要
NEC、大鵬薬品工業、がん研究会、産業技術総合研究所、早稲田大学による共同研究開発プロジェクト「量子計算技術を用いた次世代がん免疫療法創出のための計算・評価基盤構築と実証」がこのほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(社会課題解決に向けた量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速)/ユースケース創出のための大型実証」に採択された。同プロジェクトでは、がん免疫療法の有望な標的として期待されるネオアンチゲンを対象に、5者が有する量子計算技術、AI、創薬・医療、免疫学の技術と知見を融合し、ネオアンチゲン候補の設計・最適化と免疫学的な検証を可能にする、新たな計算・評価基盤の構築を目指していく。
同プロジェクトは、今年9月から2029年3月まで実施する予定。対象分野は創薬で、量子計算技術とAIを活用して、MHCクラスIIを介してCD4陽性T細胞の応答を誘導するネオアンチゲン候補の設計・最適化を行うユースケースとなっている。
具体的には、量子計算技術とAIを活用して、多様かつ有望なネオアンチゲン候補を設計・最適化を行い、免疫学的実験によって免疫応答への影響を検証する。
さらに、免疫学的実験を通じて得られた知見を計算モデルやAIによる予測・評価手法に継続的に反映することで、計算による候補の設計・最適化と実験による検証を双方向に連携させた、ネオアンチゲン候補の設計・評価基盤の確立を目指していく。
また、AIをネオアンチゲン候補に対する免疫応答の予測やスコアリングに活用すると共に、量子計算技術をネオアンチゲンのコア領域両端に位置するペプチドフランキング領域のアミノ酸配列設計に活用する。膨大な配列の組み合わせを対象に、複数の要因を考慮しながら、多様かつ有望な配列候補を設計する手法の可能性を検証していく。
これらの取り組みを通じ、創薬研究におけるネオアンチゲン候補の選定・設計・評価に向けた、計算と実験を連携させたアプローチの有用性を明らかにすることを目指す。
同プロジェクトでは、産総研量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)が整備する量子・HPC・AIを統合した計算基盤(ABCI-Q)を活用し、量子技術の社会実装と創薬分野への展開を推進する。今後、わが国発の量子技術による医療・創薬イノベーションの創出に向けて、研究開発を加速させていく。
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