
武田薬品は1月27日から、水虫治療薬「スコルバEX」に、女性が手に取りやすいピンクのパッケージを新ラインナップに加え、新発売した。成分や効き目は、2008年から発売しているブルーを基調とした既存品「スコルバEX」(指定第2類医薬品)と同様(販売名も同じ)。発売と同時にホームページもリニューアルし(http://www.scorba.jp/)、店頭とWebを通じた情報発信を通じて、水虫に悩む新たな女性ユーザー獲得を目指す。初年度販売目標は、「スコルバEX」ブランド2製品で2・6億円(出荷ベース)で、このうち今回の女性向け新製品で1・5億円を見込む。
「スコルバEX」は、ジェット噴射式のエアゾールタイプで、有効成分のブテナフィン塩酸塩が角質層まで深く浸透し、かゆみをクロタミトン、L‐メントール、グリチルリチン酸が一時的に鎮める。さらに、患部を消毒・清潔にし、細菌が原因の嫌なニオイを防ぐベンザルコニウム塩化物を配合しており、1日1回の使用で、効き目が24時間持続する。
OTC水虫薬市場は09年で191億円(SDIのPOSデータ)とされ、市場規模の伸び悩み傾向が続いている。こうした中、女性向け製品のシェアが伸びつつあり、有力ブランドでも女性をターゲットに絞った商品や容器を投入するケースが増えてきた。
近年、女性の水虫薬患者が増えてきた背景に、女性を取り巻く社会環境や生活環境の変化がある。ストッキングやハイヒール、ブーツなどで女性の足元はムレやすく、水虫菌が感染しやすい。また、角質ケアとして軽石で擦り過ぎると、足の角質が傷ついて感染しやすくなる。素足で入る岩盤浴なども、感染リスクがなくはない。
武田薬品は昨年9月、20~40代の女性2万0011人に聞いたところ、21・1%が「水虫になったことがある」、28・5%が「水虫かもしれないと思ったことがある」とし、合わせて約50%の女性が水虫経験を示唆していた。このほか、水虫であると回答した女性では、水虫経験のない女性に比べ、靴を履いていて「ムレ」「ニオイ」が気になるという割合が3割前後高かった。
一方で、水虫の女性では「恥ずかしい」という理由で治療を先延ばしにしたり、市販薬の購入をためらう人も少なくない。新たに加わった女性向けの「スコルバEX」は、手に取りやすいおしゃれなパッケージで、足のニオイを抑え、ムレをすっきりさせる、速乾性で手を汚さない、1日1回の使用で済む――など、女性が殺菌・かゆみ止め以外で欲しい機能や特徴を備えており、同社では潜在ユーザーの獲得に向け、女性が立ち寄りやすい売り場作りにも取り組んでいく考え。税込み希望小売価格は、50mL2079円。