米バクスターは、A(H1N1)型パンデミックワクチン「セルバパン」の初回製造を完了した。初回納品分は、パンデミックワクチンの供給契約を締結している5カ国に出荷される予定。新型インフルエンザAのワクチン出荷は、世界で初めて。
同社は、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒水準をフェーズ6に引き上げたのを受けて、A(H1N1)型ワクチン「セルバパン」の量産を進めてきた。今後、パンデミックワクチンに関する供給契約を結んでいる英国、アイルランド、ニュージーランドなど5カ国に対して、セルバパンの出荷を開始する。さらに、発展途上国への供給についても、世界保健機関(WHO)と検討を進めている。
セルバパンは、独自のヴェロ細胞培養技術を活用して製造されたインフルエンザワクチン。既にH5N1ワクチンの製造工程で欧州医薬品庁(EMEA)から承認を取得しており、現在、A(H1N1)型ワクチンへの切り換え申請手続きが進められている。
ただ、安全性・免疫原性に関するデータが不足していることから、8月に確認試験を実施し、1000人分の投与データの集積を目指す。