ＭＲ業務の効率化実現‐携帯電話とＩＴ機能融合
ブラックベリー端末
リサーチ・イン・モーション・ジャパンは、ＮＴＴドコモのＦＯＭＡ回線と直結し、スマートフォン端末を用いた法人向けのネットワークサービス「ブラックベリーエンタープライズソリューション」を提供している。ブラックベリー端末と社内情報システムを組み合わせたセキュアな情報通信サービスにより、ＭＲの業務効率化を実現。外出先からリアルタイムにメールの閲覧や業務に必要な情報の取得が可能となるほか、サーバー側からのセキュリティ機能を搭載し、端末紛失時の情報漏洩・不正使用を阻止する。現在、安全性・利便性の高いモバイルソリューションとして、多くの製薬企業で導入が進んでいる。
暗号化で強固な「セキュリティ」
同社は、カナダに本社を置く通信機器メーカーで、１９９９年にブラックベリー端末の販売を開始。現在、北米スマートフォン市場ではトップシェアとなる約５０％以上のユーザーを獲得し、全世界で２８５０万人以上が利用している。一方、国内では、今年２月の「ブラックベリーボールド」の販売を追い風に、導入企業は、約３２００社にまで拡大している。
ブラックベリーエンタープライズソリューションは、ブラックベリー端末とサーバーソフトウェアを一体化したソリューションとして提供することで、強固なセキュリティを柱に、一般企業にとどまらず、米国や英国、ドイツなど各主要国の政府軍事機関にも提供実績がある。同社担当者は「ブラックベリーの強みは、安全性と利便性を両立させたソリューションにある」と語る。
これまでのモバイルソリューションでは、セキュリティを考慮して、社外から社内ネットワークへのアクセスが制限される例が多かった。一方、ブラックベリーエンタープライズソリューションは、サーバー側、端末側の双方に装備された暗号化技術により、ユーザー側が特別な操作をすることなく、データを暗号化して送受信できる。そのため、第三者に解読されることなく、社外から社内網へのセキュアなアクセス環境を実現している。
このソリューションの導入により、ＭＲは外出先でも、オフィス宛のメールをリアルタイムに閲覧可能で、最新の顧客情報の取得や営業報告の提出など、日常の業務を必要なときに必要な場所で行える。
これまでの「メールやスケジュールを確認するために、わざわざ会社に戻る」という無駄なオフィス内業務を軽減し、ドクターへの情報提供活動に集中できる。さらに、他のＭＲとの情報共有も簡単に行えるため、チームで連携した情報提供活動を展開することができる。
そのほか、モバイルプレゼンテーションのソリューションなどの充実した機能により、重いＰＣや資料を持ち歩くことなく、より機動性の高い利用が可能となった。
盗難・紛失での不正使用も防止
一方、端末紛失時の情報漏洩を防止するセキュリティ機能も、ブラックベリーエンタープライズソリューションの特徴の一つ。使用機能を制限するセキュリティポリシーをサーバー側から設定することで、パスワード入力をユーザーに強制し、パスワードを一定回数以上間違えた場合に、ブラックベリー端末を初期化する。さらに、ネットワークの管理者側で、端末に入っている情報を全て削除する機能も搭載し、万が一の盗難・紛失の際でも、第三者による端末の不正使用を防止する。同社販売担当者は「製薬企業は、研究開発に関わる情報を扱っており、一般企業以上にセキュリティに対する意識が高いが、ブラックベリーは安心して使っていただけると思う」と自信を示す。
今後は、ブラックベリー１台でＭＲ業務の大半を行えるよう、医薬業界向けのアプリケーションを充実させたい考えだ。基本機能やプレゼンテーションといった機能だけでなく、データベースの検索や最新の薬事ニュースの取得など、ＣＲＭ連携ソリューションや業務支援ソリューションのサービス拡充に取り組む。
既に製薬業界でも導入が進んでおり、グローバル売上２０位以内の製薬企業のうち、約７割が国内でブラックベリーを利用している。０９年上半期に、国内の市場平均率を上回る成長を見せた日本イーライリリーでは、約１３００台のブラックベリーを導入。アルフォンゾ・ズルエッタ社長は、「ブラックベリーを活用した情報提供活動により、医師の要請に対して迅速な対応が可能となり、結果として、ＭＲの営業生産性の向上につながる」と述べ、営業現場でのブラックベリーの活用を通じて、成長を加速させる方針を示している。
リサーチ・イン・モーション・ジャパン株式会社
http://www.blackberry.co.jp
