キッセイ薬品と第一製薬は11日、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬「ユリーフカプセル」(一般名:シロドシン)を発売した。前立腺に主に存在するα1A受容体サブタイプを選択的に遮断することで、前立腺の緊張を取り除いて尿道の抵抗を改善するという薬剤。海外でも開発が進められているが、日本で先行した。両社は大型化を期待している。
|
両社が同一製品名で共同で販売する。2mg(薬価:51・70円)と4mg(同102・90円)の2規格で、成人で1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。
治験では、日本で初めて国際前立腺症状スコア(I‐PSS)を用いて評価し、同剤はプラセボ群に比べ、排尿障害症状を投与早期から有意に改善する効果が確認され、薬価算定でも有用性加算がなされた。
副作用発現率は44・8%と高いため、使用に当たり「リスクを十分に検討の上、患者に対しては副作用の説明を十分に行った上で使用すること」と使用上の注意に明記した。
高頻度に現れる副作用は、膀胱に精子が流れこんでしまう逆行性射精など射精障害で、発現率は17・2%。そのほか口の渇き(発現率:5・7%)、下痢(4%)、立ちくらみ(3・6%)など。臨床検査値異常では、トリグリセリド上昇(7・4%)、CRP上昇(3・9%)、ALT上昇(2・3%)などだった。
同剤の売り上げ目標は、国内では発売から10年をメドにしたピーク時で約400億円。全世界で約1000億円(時期不明)を計画している。
海外開発は、米国ではワトソン社により行われ、現在PIIIで、08年の承認申請を予定。欧州ではレルコダッチ社がPIIIを行っており、申請時期は未定。