大阪府の堺市薬剤師会はスギ薬局、ウエルシア薬局と連携して、堺市内にある3者の薬局がそれぞれ保有する無菌調剤室の共同利用の運用を今年5月から開始した。堺市薬の会員薬局は2時間1000円で、これら3薬局の無菌調剤室を利用できる。スギ薬局、ウエルシア薬局がグループ外の薬局に無菌調剤室の利用を開放するのは今回が初めて。薬剤師会のインフラだけでなく、大手チェーン薬局を巻き込んで、薬剤師の在宅医療支援体制を構築できたこの取り組みは、全国から注目を集めそうだ。
堺市薬は約2年前に「地域医療連携室」を立ち上げ、地域の医療機関や各職種と薬局をつなぐ窓口の設置、広報の強化などに取り組み、薬剤師の在宅医療への参画を支援してきた。その一環として会営薬局の無菌調剤室の共同利用に着手。その過程で「会営薬局だけでは堺市全域を網羅できないため、無菌調剤室を持つ堺市内の薬局を調べたところ、3薬局が地域にバランス良く配置されていた。市民のために、それぞれが持つ財産の活用を提案し、受け入れていただいた」と堺市薬副会長の鹿嶋重二郎氏(カシマ薬局)は語る。
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