中国の古典書にも“物忘れ”への効果が記載され、古くから用いられている生薬オンジ(遠志)を有効成分とし、「中年期以降のもの忘れの改善」を効能・効果とするOTC漢方薬として、大正製薬は5日から「メモリーケア」、エーザイは10日から「遠志の恵み」を、それぞれ新発売した(いずれも第3類医薬品)。今年に入り、物忘れ改善の効果が認められた生薬オンジを用いた製品はクラシエ薬品、ロート製薬、小林製薬などから発売されており、年齢からくる物忘れ改善薬カテゴリーがさらに充実を見せている。
大正製薬の「メモリーケア」は、1日量の6錠中にオンジから抽出した「オンジ乾燥エキス散」を1350mg配合(遠志3000mgに相当)している。低温の真空状態でエキスを瞬間的に濃縮する、同社独自製法の“瞬間薄膜濃縮法”によって、品質を損なうことなく、高濃度に抽出する工夫をしているのが特徴。
さらに、オンジの風味が苦手な人でも服用しやすいよう、剤形を錠剤としている。包装もパウチタイプなので持ち運びに便利で、飲み忘れないようにバッグ等にも入れやすい。税別希望小売価格は、90錠(15日分)2400円のほか、初めての人でも求めやすい30錠(5日分)900円の二つのタイプがある。
エーザイの「遠志の恵み」は、1日量3錠中にオンジエキス536mg(オンジとして3.0g)を配合。小型化した1回1錠の生薬製剤にすると共に、錠剤をコーティングすることで生薬独特の風味を抑えるなど、服用しやすい工夫をしている。税別希望小売価格は30錠(10日分)1380円、84錠(28日分)3680円。
同社の調査では、40代以降の4割以上の人が「物事や人の名前が思い出せなくなった」「同じことを何度も話してしまう」といった物忘れを実感し、不安を感じていると回答していたという。これらは加齢によるものと考えられて、対処されにくいのが現状であり、今回の「遠志の恵み」を通じて「物忘れに不安を感じる人々のベネフィット向上に、さらに貢献していきたい」としている。