ロート製薬は、発毛成分ミノキシジルを5%配合した男性用発毛剤「リグロEX5」(第1類医薬品)を17日から新発売する。同社調査では20~69歳の男性の約4人に1人が薄毛について悩んでいたものの、発毛剤を使用しているのはわずか3.3%に過ぎなかった。そこで、頭髪に悩みを抱えながら“発毛剤を使用していない30~40代の男性”をメインターゲットに、潜在的なニーズを掘り起こして、発毛剤市場の活性化を図る。ミノキシジル5%配合の発毛剤は、先行する大正製薬の「リアップX5プラス」に、アンファーが8月に「スカルプDメディカルミノキ5」を投入しており、複数ブランドの商品が鎬を削る中で、初年度販売目標は20億円とする。
同社が20~69歳の男性3万8831人に行った毛髪に関する調査では、26.3%が「薄毛について悩んでいる」と回答。しかし、薄毛に悩む男性で「毛髪や頭皮のために発毛剤を使用している」という人は、わずか3.3%にとどまった。世代を問わず薄毛に悩む男性が多い中で、悩みを抱えながらも発毛剤を使用していない現状に対し、同社では「発毛剤に対する抵抗感や効能への不信感が、その背景にある」と分析する。
発売に先立ち、1日に大阪市内で行われた新製品発表会で、「リグロEX5」のコンセプトとして『次世代の働く男性の救世主』を打ち出した。取締役プロダクトマーケティング部長の力石正子氏は「働く女性の増加に伴い、男性の意識変革が求められる。男性の仕事と生き方をかっこよくしたい」、開発を担当したプロダクトマーケティング部の布留川透氏は「固定概念を払拭できれば、市場を活性化できる」と強調するなど、30~40代の若い世代に照準を絞って新しいマーケットを開拓していく考えを示した。
発毛剤市場は約170億円で推移。人口減少と少子高齢化が進む中で、利用者の増加が見込みづらくなっているという。そうした背景においてロート製薬としては今後、育毛管理アプリを使って他社製品との差別化を図っていく。ヘルスケアベンチャーのFiNCと開発した「リグロプログラム」を活用し、発毛に効く食事や睡眠、運動といった情報を購買者一人ひとりに提供することで「髪の毛が生えたその先の心まで充実した生き方」を提案する。リリースは12月中の予定で、価格は無料。
「リグロEX5」は、デザインコンセプトを「次世代」とし、赤と黒を基調に気品と強さを表現したボトルデザインとした。さらに、[1]グリップがききやすく開けやすい八角形キャップ[2]ヘッド全体を使って薬液を広範囲に塗り込むことができる柔らかヘッド[3]スリムなボトルで出張・外出時にも持ち運びやすい──など、使いやすさ・持ち運びやすさにもこだわった容器としている。容量60mLで税別希望小売価格は7000円。