第一三共は、FLT3阻害剤「ヴァンフリタ錠17.7mg、同26.5mg」(一般名:キザルチニブ塩酸塩)を新発売した。「再発・難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)」を適応として使用する。癌領域を強化する同社において、自社製品第1号の抗癌剤となる。
同剤は、ITD変異があるFLT3受容体の選択的チロシンキナーゼ阻害薬。グローバルで開発を進めてきた戦略品だが、日本が最初の上市国となった。AML患者の約25%にFLT3-ITD変異が認められており、新たな治療選択肢になるとしている。用法・用量は、1日1回26.5mgを2週間投与し、それ以降は1日1回53mgを投与する。
同社では、4月に癌領域のMRを増員しており、今後癌専門MRが医療機関に対して情報提供を行っていく。米国では6月にFDAから現行の承認申請データでは承認不可とする通知を受領しており、今後の開発方針を検討している段階にある。欧州では昨年11月に承認申請している。
現在、「FLT3-ITD変異陽性のAMLの一次治療」の適応追加を目的とした第III相試験が進行中であり、2021年以降の承認取得を目指している。