ロシュ・ダイアグノスティックス(RDKK)は、免疫抑制剤として使われるmTOR阻害薬「エベロリムス」(製品名:アフィニトール)を血中で測定する「エクルーシス試薬エベロリムス」を新発売した。
エクルーシス試薬エベロリムスは、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)を測定原理とするRDKKの自動分析装置用専用試薬。検査の測定時間は18分で、0.5~30ng/mLという広範囲での血中薬物量の測定が可能。検体には全血を用い、検体前処理液を注入・撹拌し、遠心分離を行う前処理が必要となるが、エクルーシス試薬エベロリムスでは前処理液を1種類使用し、エベロリムス以外の免疫抑制剤用血中薬物測定試薬と共通で使用できるため、作業の繁雑さを低減する。
エベロリムスなどの免疫抑制剤は、治療に有効で安全な最小有効量と最大耐用量の幅となる治療血中濃度と副作用発現域が近接しているほか、薬効や副作用に個人差もあるため、投与時には継続して血中濃度を測定していく治療薬物モニタリングが重要。また、作用機序の異なる複数の免疫抑制剤と組み合わせて投与されることも多く、各薬剤の血中薬物濃度を測定しながら、患者ごとの最低な投与量を調節する必要があるとした。