パラマウントベッドは22日、補助人工心臓を必要とする小児患者の治療支援と医療事業のさらなる拡大を目的に、神戸市のカルディオの株式の過半数を取得し、子会社化することを決定したと発表した。株式の取得完了は7月末を予定している。同社による株式取得後もカルディオの独立した運営を維持し事業支援を行っていく。
カルディオは2001年に設立され、世界で唯一の小児用体外設置式補助人工心臓システム「EXCOR Pediatric」(ドイツ・ベルリンハート社製)の輸入販売および保守サービスを中心に事業を展開している。カルディオは、15年に同システムを日本に導入し、保険適用されている。
また、カルディオの小児用体外設置式補助人工心臓システムは移植待機中の小児患者をサポートする機器で、患者の救命および健康状態の維持を目指している。同システムは、高度な小児循環器医療体制を有する小児心臓移植認定施設などで導入されている。
カルディオは経営理念として「最先端医療機器提供による循環器系疾患の治療だけでなく、その他疾患における症状緩和、予防医療やヘルスケア推進によるQOL向上」を掲げており、パラマウントのブランドメッセージ「WELL-BEING for all beings」の考え方とも共鳴するもの。
また、カルディオが有する医療機器の輸入販売・保守に関する知見は、パラマウントの医療事業における経験とネットワークとの高いシナジーを生み出すものと期待されることから、今回の株式取得につながったもの。
パラマウントは、今後もグループ一体となり、小児重症心不全患者の治療支援を通じ、豊かな社会実現に寄与していく。
カルディオの柳裕啓社長は、「小児用体外設置式補助人工心臓システムは、安定供給が必須。事業として継続的に安定供給し、さらに領域を拡大するには、継続的な投資と新たな体制構築の必要がある。今回、パラマウントの子会社となることで製品の安定供給に関する不安を解消し、小児重症心不全治療にさらなる貢献ができるよう尽力していく」とコメントしている。