理論から実践へ─臨床試験におけるAI活用の新時代
設計・実施・情報開示を変革し、貴部署の日常業務に確かな優位性を。
はじめに
本記事では、早期臨床開発から市場投入までをデータとコンサルティングで支援するサイトライン(Citeline)が、自社データを元に作成した限定コンテンツの内容を、一部要約の上お届けします。
AIは未来の話ではない、すでに現場で稼働中
長年、AIは「いつか臨床研究を変える技術」として語られてきました。しかし、その変革はすでに始まっています。AIは、既に業務の中核に組み込まれ、意思決定の迅速化、手作業の削減、成果の向上に貢献しています。
顕在化する臨床試験現場での課題
AIが臨床試験をどのように変革してきたかについての前に、まずは現在顕在化している臨床試験現場での課題についてご紹介いたします。
1.タイムライン短縮の必要性
- ClinicalTrials.govによる各臨床試験プロセスにかかる日数のグラフ(下記)によると、実際の臨床試験プロセスだけで約9年を要しています。 1
- 前臨床活動と承認取得に要する時間を加えると、薬の市場投入まで10年以上かかるケースも。
2.プロトコルの複雑化
- 治験計画書の複雑化に伴い、計画書修正の平均回数は急増しており、タフツ医薬品開発研究センターの22年調査結果によると、第I~IV相試験のプロトコルの76%が少なくとも1回の修正を必要としており、2015年の57%から増加し。
- 修正の平均回数は60%増加し、プロトコルあたり2.1回から3.3回に。 2
3.患者募集の難しさ
- 患者登録は臨床試験における難題であり、推定37%の施設で患者登録が不足し、11%の施設では1人も登録できていません。 3
- また、患者を登録した後も、疾患の種類や試験の複雑さに応じて臨床試験全体で10%から30%の範囲で患者脱落率が生じるため、患者を維持することが課題に。 4
4.規制報告の負担増
- 2024年のバイオ医薬品経営幹部調査によると、複雑な規制要件は臨床試験の複雑性を増大させる主要課題の一つであり、臨床試験コスト上昇の要因となっています。 5
では、こうした臨床試験現場での課題に対し、AIはどう貢献しているのでしょうか?
AIがすでに貢献している領域
驚くべきことに、これから紹介する価値は仮説ではありません。スポンサー、CRO(契約研究機関)、規制チーム全体で既に導入されている、実証済みの実用例です。
実例[1] プロトコルのフィージビリティ(実現可能性)
課題:
研究チームがプロトコルを作成する際、患者集団に関する仮定がしばしば行われますが、実際の患者層、特に医療サービスが行き届いていない集団とは必ずしも一致しません。ゆえに、修正、遅延、被験者募集の失敗が生じる可能性があります。
課題に対するAIの役割:
- 過去の臨床試験に基づき、【参加基準/除外基準(I/E基準)を自動生成し、リアルワールドデータ(RWD)で検証】可能。それにより、プロトコル確定前にリスクや誤った仮定を特定します。
実例[2] 施設および治験責任医師の選定
課題:
臨床試験の実施施設候補リストの作成には数週間を要することがあり、そのリストは患者募集プールにおける潜在的な不一致や不足を考慮できていない場合が多くあります。
課題に対するAIの役割:
- 過去の試験実績と患者アクセスデータに基づき、【関連する経験を持つ研究者と試験要件をマッチング】することが可能です。
実例[3] 意思決定支援
課題:
部門横断的な部署では、臨床計画に関する疑問の答えをサイロ化されたシステム内で何時間も探し続けることがあります。
課題に対するAIの役割:
- 対話型インターフェースを通じて複雑なデータセットから構造化された回答を瞬時に抽出。計画策定のスピードと確信度を向上させます。
実例[4] 臨床試験情報の開示
課題:
開示チームは、標準化されていない試験文書からデータを手作業で抽出・構造化する必要がある場合が多く、このプロセスには数日から数週間を要することがあります。
課題に対するAIの役割:
試験登録および結果報告のためのプロトコル、統計解析計画書(SAP)、その他の文書から【主要フィールドを自動的に取り込み、抽出、分類】する点で役立ちます。
理論から実践へ|サイトラインが叶える、AIを活用した臨床ワークフロー
AIは単体のツールではなく、臨床チームが既に使用しているインフラに組み込まれた機能です。サイトラインのソリューションが、このAIを活用したワークフロー理論をどのように実践まで導くのか、是非ご覧ください。
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おわりに
臨床開発におけるAIは、もはや理論の段階を超えており、プロトコル設計や実現可能性の検証から、迅速な情報開示やコンプライアンス対応まで、AIはプロセスを合理化し、リスクを低減し、タイムラインを加速させています。
Citelineがご提供するSmartSolutionsとTrialScope Discloseによって、AIはもはや未来の概念ではなくなり、貴部署の日常業務における確かな優位性となります。
AIを組み込んだサイトラインのソリューションが、貴社および貴部署にどのような価値をご提供できるのか、是非、お気軽にお問い合わせください。
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参考文献
1 Our World in Data (2025) Average study length by phase. Data adapted from ClinicalTrials.gov. Available from https://archive.ourworldindata.org/20250818-180101/grapher/average-study-length-by-phase.html[Accessed Aug. 29, 2025]
2 Getz K, Smith Z, Botto E, et al. (2024) New Benchmarks on Protocol Amendment Practices, Trends and their Impact on Clinical Trial Performance. Therapeutic Innovation & Regulatory Science, 58(3), 539–548. Available from https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38438658/ [Accessed Sept. 3, 2025]
3 Chaudhari N, Ravi R, Gogtay NJ, et al. (2020) Recruitment and retention of the participants in clinical trials: Challenges and solutions. Perspectives in Clinical Research, 11(2), 64–69. Available from https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7342338/ [Accessed Sept. 3, 2025]
4 Linder J (2025) Clinical Trial Participation Statistics. Gitnux. Available from https://gitnux.org/clinical-trial-participation-statistics/ [Accessed Sept. 10, 2025]
5 Thermo Fisher Scientific, The Pulse 2024. Available from https://www.ppd.com/pharmaceuticals-research-and-development-2024/ [Accessed Sept. 4, 2025]
























