参議院厚生労働委員会は16日、中東情勢を踏まえた医療物資等の安定供給に関する件で医療関係業界から参考人を招いて意見を聴いた。医療機器業界からは日本医療機器産業連合会副会長の宮田昌彦氏が参考人として出席し、血液透析を例にディスポーザブル医療材料は代替がきかず、供給の停滞が患者の生命に直結するなどと訴えた。また、医療機器の安定供給のため、ナフサなどの石油関連原料の医療機器業界への優先供給などを政府に求めた。
医療機器はカテーテルや内視鏡、生体モニター、画像診断装置など100品目以上あり、用途も規模も幅広い。宮田氏は、これら機器の原材料や部品に加え、製造燃料や滅菌用ガス、包装資材に至るまで石油関連原料が不可欠と説明した。
また、血液透析関連製品を例に、ダイアライザー内部の中空糸や血液回路など、治療に使う医療材料すべてが使い捨てとなり、再利用できない一方で、国内では約33万人が透析を受け、年間約5100万回分の材料を必要とする現状を説明。供給が滞れば患者の生命に直結すると強調した。
日本医療機器テクノロジー協会が実施した緊急調査では、182の製品カテゴリーのうち162で原油由来原料を使用していた。120カテゴリーではサプライヤーから供給懸念の連絡が入り、半年以内に医療現場へ影響が及ぶ可能性を指摘する回答も多かったとしている。
そのうえで、(1)ナフサなどの石油関連原料の医療機器業界への優先供給、(2)海外製造拠点も含めた石油関連原料の安定供給の確保、(3)梱包資材や滅菌工程など製造工程全体への影響への配慮、(4)不当な価格引き上げへの対応と丁寧な情報発信を政府に求めた。
質疑では、まず本田顕子委員(自民)が、昨年ノーベル化学賞を受賞した京都大学の北川進教授が開発した多孔性金属有機構造体を使って石油に頼らない新材料の活用可能性について質問。宮田氏は、世界で前例のない新素材の許認可が最大の課題になるとの認識を示した。
また、芳賀道也委員(国民民主)が、最も重要な要望はどれかと質問。宮田氏は、石油関連原材料を医療機器業界に最優先で配分することが極めて重要だと強調し、量的な負担も大きくないとの考えを示した。
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