ジョンソン・エンド・ジョンソン・メディカルカンパニーは、抗菌縫合糸「バイクリルプラス」を新発売した。

手術現場で使われる縫合糸は、体内で異物となり細菌の足場になるため、手術部位感染(SSI)の原因の一つとされている。現在、体内に異物として残らない吸収糸が、SSIのリスク低減を目的に使用されているが、体内で代謝されるまでに102カ月かかってしまうため、その間の感染を防ぐ必要があった。
バイクリルプラスは、既存品の合成吸収糸「バイクリル」に抗菌作用をもたせた世界初の抗菌縫合糸。抗菌作用のあるトリクロサンを配合したコーティング剤を糸の周囲に塗布することで、MRSAやメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)に抗菌性を発揮し、縫合糸での手術部位感染に関連性の高い病原体の増殖を抑制する。
既にバイクリルプラスは、2004年に米国、06年に欧州で発売されている。
価格は、バイクリルよりも1割程度高くなる見通し。保険適用の対象外となっているため、手術技術料に含まれる。