富士フイルムは13日、1カートリッジ当たりの最大記録容量75TB(非圧縮時30TB)を実現し、大容量データを安全に低コストで保管できるデータストレージ用磁気テープ「FUJIFILM LTO Ultrium 10 データカートリッジ」(LTO10)を発売した。LTO10は、磁気テープストレージメディアの規格「LTO Ultrium」の第10世代に対応している。
近年、自動運転、医療画像、AI、IoTをはじめとする技術の普及などで、世界で生成されるデータ量は増え続けており、2025年には175ゼタバイトに達すると予測されている。
磁気テープは、大容量データを保管する目的で用いられるストレージ・メディア。安定的にデータの読み書きが行えるだけでなく、同じくデータのバックアップやアーカイブに使用されるハードディスクドライブ(HDD)と比較して初期導入のコストを抑えられる。
また、データを低コストで保管できる点や、ネットワークから切り離した環境での保管が可能のため、ランサムウェアやハッキングなどによるデータ損失・消失のリスクを低く抑えられる。
今回発売されたLTO10は、1カートリッジ当たりの最大記録容量75TBを実現したデータストレージ用磁気テープ。同社は、大容量データの記録を可能にする独自の磁性体材料「微粒子ハイブリッド磁性体」を、「LTO Ultrium」シリーズで初めて採用している。
これは、磁気テープの一定面積当たりに保管できる記録容量(面記録密度)を拡大させることで、現行品の約1.7倍となる最大記録容量を実現している。