実験用サルの購入価格が1頭1000万円まで高騰していることが、19~21日に横浜市で開催された日本毒性学会学術年会のワークショップで報告され、実験用サルの供給不足をめぐって大動物種を用いた動物試験のあるべき姿を議論した。特にバイオ医薬品開発では、ヒトに近いサルを主に動物試験で用いて臨床試験に進めるべきかを判断しており、将来的に枯渇が懸念されるサルを活用した動物試験のあり方の検討が喫緊の課題となる。
医薬品開発における霊長類輸入総数は、2022年に5386匹となっている。中国が20年から実験用サルの輸出を停止したが、カンボジアが増産し、数としては穴埋めされている状況にある。ただ、鈴木睦氏(協和キリン)は「供給ザルが若齢化し、成人用サルが手に入らない。数年後にはサル資源が枯渇してくる」との厳しい状況を明らかにした。
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