ファイザーは12日、β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ザビセフタ配合点滴静注用」(一般名:注射用アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物)を新発売した。抗生剤の分解酵素β-ラクタマーゼを介する緑膿菌などの薬剤耐性菌感染症に対する治療薬。
同剤は、セフェム系抗菌薬であるセフタジジム水和物に新有効成分のβ-ラクタマーゼ阻害薬アビバクタムナトリウムを配合したもの。成人1回2.5gを1日3回2時間かけて点滴静注する。腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍にはメトロニダゾール注射液と併用する。
薬価は2.5g1瓶1万6111円。
薬価算定に当たり、比較薬のMSDの「ザバクサ配合点滴静注用」で効果不十分な患者に対する治療選択肢となり得るとして、有用性加算I35%を付けた。
同剤は、薬剤耐性菌を含む原因菌による複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症、人工呼吸器関連肺炎を含む院内肺炎、これらの感染症に関連する菌血症に対する治療薬として90以上の国・地域で承認されているという。
同社取締役の五十嵐啓朗氏は、「海外でも広く臨床で使用されているザビセフタを日本でも届け、日本のAMR(薬剤耐性)対策に貢献していけるよう、関連学会等と連携し、本剤の適正使用情報の提供を進めていく」とコメントしている。