PHCバイオメディカ事業部は8日、同社のライブセル代謝分析装置「LiCellMo」が、米国の科学技術メディアR&D World誌が主催する「2025 R&D100アワード(2025 R&D 100 Awards)」を受賞したと発表した。
「R&D 100アワード」は、1963年に創設された国際的な科学技術賞で、過去1年間における最も革新的な100の技術を毎年表彰している。これは、新たに実用化された製品、技術、素材を、技術的な意義に基づいて表彰する、唯一の科学技術賞となっている。
「LiCellMo」は、研究用途として2024年9月に日本国内で発売し、その後10月には米国、英国、EU諸国、中国のほか、アジアの一部地域でも提供を開始している。同製品は、細胞代謝メカニズムの解明や、細胞医薬品の製造プロセス開発において重要な細胞培養の再現性および品質向上を目的に設計されている。
細胞遺伝子治療(CGT)の研究においては、細胞の状態を正確に評価し、最適な細胞培養環境を創出することが重要となる。同製品は、培養中の細胞の代謝変化をリアルタイムで可視化することで、CGT研究における細胞の代謝活動のより正確な把握を可能にしている。
また、従来のサンプリング手法では、培地の一部を定期的に採取して細胞の代謝や品質を評価するため、細胞の経時変化を把握することが難しく、さらにはコンタミネーションのリスクも伴う。同製品は、培地中のグルコースと乳酸の濃度変化を連続的に測定し、培地の定期的な採取を必要としない。さらに、既存のCO2インキュベーター器内に設置できるため、通常の培養環境を変更することなく導入可能となっている。
同事業部長の高魚力氏は、「LiCellMoは、PHCが培ってきた技術力と革新への挑戦の結晶であり、細胞培養分野における新たなスタンダードを築く可能性を評価いただけたものと確信しています。同製品は、特定の用途にとどまらず、細胞培養全体のプロセスに変革をもたらす画期的な技術です。当社は、同製品をはじめとして、研究者や産業界の皆さまに効率性と再現性に優れたソリューションを提供し、細胞培養の未来を切り拓くことを目指しています」と述べている。
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