パナソニックくらしアプライアンス社は10日、香川大学創造工学部の高尾英邦教授との共同研究で、独自のナノ触覚センサを搭載した毛髪キューティクル診断システムを開発したと発表した。従来のキューティクル分析機器の視野と比べて100倍以上となる50mm範囲を5分で評価可能で、毛髪の前処理が不要で評価できるシステムとして日本初となる。
両社は2018年から、指ではとらえきれないような毛髪の“手触り”を数値化するるための毛髪診断技術の研究に取り組んできた。
今回、開発した同システムは、香川大独自のMEMSデバイスであるナノ触覚センサを搭載し、毛髪の表面に接触させながらスキャンすることで、キューティクル形状と摩擦力を正確に計測できる。
毛髪の張力やセンサの接触量・スキャン速度の自動制御化によって測定が安定化し、従来の分析機器の100倍以上となる50mmの広範囲を一括で計測可能になった。
さらに、毛髪の切断等の前処理が不要で、毛髪をセットしてワンプッシュで測定を開始。1回のスキャンで収録する200万点のデータから、キューティクル枚数と表面ダメージレベル、髪の太さや引張強度を自動で測定して、総合評価の診断結果を表示する。1回あたり5分間で診断が完了し、従来の分析機器と比べ簡便かつ短時間で評価可能になる。
同システムを活用することで、髪の根元から毛先へと時間経過でダメージが蓄積していく過程を定量化できたほか、寝返りを想定したモデル試験では、毛髪同士のこすれあいによるキューティクル損傷、ならびに高浸透ナノイー&ミネラル&マイナスイオンを搭載したドライヤーによる摩擦ダメージ抑制効果も確認できている。
香川大の高尾英邦教授は、「指先を超える感度と分解能を実現する全く新しい触覚センサにより、毎日変わる髪の質感や特徴をデータとして記録・分析し、髪質やダメージを迅速に判断する”毛髪キューティクル診断システム”が誕生しました。個人に合う最適なヘアケアを追求して生まれる髪の輝きが、一人ひとりの毎日をさらに輝かせる未来の実現を期待しています」とコメントしている。
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