PHC診断薬事業部(PHC IVD)は10月、新たに改良した移動式免疫発光測定装置「パスファースト」を国内で販売を開始する予定にしている。リニューアルされた同製品では、操作画面の大型化や画面デザインの刷新、大開口ドアの採用、バーコードリーダの内蔵化などが図られている。

PHC IVDが製造販売する「パスファースト」は、大規模病院から診療所まで、幅広い医療現場で活用されている、卓上型のコンパクトで移設が容易な免疫発光測定装置。MAGTRATION技術を組み合わせた化学発光システムを採用し、迅速かつ高品質な検査を提供している。
また、全血・血漿・血清を用いて測定が可能で、医療現場における多様なニーズに柔軟に対応できる検査機器で、測定に必要な試薬が全て一つのカートリッジに収められ、廃液も格納されるオールインワンカートリッジを採用しているため、取り扱いが非常に簡便となっている。
さらに、スタートボタンを押すだけで測定が開始され、最短17分で6テスト/バッチ、最大6項目を同時測定可能なことから、救急科や循環器内科において心筋梗塞や不整脈、肺塞栓症の検査に活用されているほか、産婦人科ではホルモン値の測定など、多岐にわたる検査に対応することができる。
今回、リニューアルされた装置では、従来機の約2倍の大型画面を採用し、視認性と操作性が大幅に向上している。新しい仮面デザインではレイアウトや操作フローを見直できるし、よりシンプルで直感的な操作ができる。
また、試薬の出し入れがよりスムーズな大開口ドアの採用により、筐体への接触リスクを低減し、安全性の向上も図っているほか、バーコードリーダーの内蔵化したことにより、片手で検体IDを読み取ることが可能となり、作業の効率化をサポートしている。
このほか、装置から離れた場所でも検査の進捗状況を把握できる状態表示ランプの搭載により、診断遅延のリスクを軽減している。さらに、ソフトウェアの機能を充実させるため、検体IDや患者のIDなどから測定結果の履歴一覧を確認できるデータ検索機能や、作業日誌の自動作成機能を新たに追加し、利便性が向上している。
「パスファースト」は発売から20年を迎え、国内や米国、欧州、アジア、中東、中南米など約50カ国の医療現場で迅速な検査に貢献している。リニューアルされた装置は、10月3~5日に横浜市のパシフィコ横浜で開催される「JACLaS EXPO 2025-臨床検査機器・試薬・システム展示会-」に出展する。