アフラック生命保険と日立製作所、GlobalLogic Japan(GlobalLogic)は23日、がんを取り巻く社会的課題に対して企業が従業員とその家族を包括的にサポートするため、職域の従業員を当事者としたキャンサーエコシステム(職域版キャンサーエコシステム)の構築に向けた「がんを知り・がんに備える」プログラムの実証実験の効果検証が完了したと発表した。
今回の検証では、2025年4~11月にかけ、日立の従業員のうち約3000人を対象に、「職域版キャンサーエコシステム」の構築に向けた「がんを知り・がんに備える」プログラムの有効性を確認した。従業員のがんに対する意識向上やがん検診の受診、および保険検討機会の創出を実現するための取り組みを実施し、▽がんを意識する機会の拡大▽がん検診の受診機会の拡大▽がん保険の検討機会の拡大――の三つのKPIから効果を検証した。
具体的には、GlobalLogicによる、個人の選択の自由を尊重しながら望ましい行動を自然に促すための「行動のデザイン」の手法をもとに、施策を検討し、がんに対する自律的な意識向上につなげるための施策を実施した。その一つとして、主催元となる日立の企業系列の保険代理店である日立保険サービスと共に、がんセミナーなどのイベントの周知方法の変更や、アーカイブ配信などの改善を行った。
その結果、「がんを意識する機会の拡大」「がん検診の受診機会の拡大」の観点では、がんセミナーの認知率が約20%向上し、セミナー後のアンケートでは、セミナー参加者のうち約70%が「がん検診を受けようと思った」とするなど、がんに関する備えや検診受診、保険加入などに前向きな姿勢が見られ、意識向上につながる結果となった。
また、「がん保険の検討機会の拡大」については、セミナーの参加、アーカイブ視聴を通じて日立保険サービスへの保険相談も増加するという成果につながった。これらの結果を踏まえ、検証した三つのKPIのいずれも一定の効果が得られたことが確認できた。
今後、アフラックは、今回の検証実績をもとに「職域版キャンサーエコシステム」の構築に向けた「がんを知り・がんに備える」プログラムをより充実させ、ウェルビーイング向上を支援することを目指していく。その実現に向け、GlobalLogicのデジタルエンジニアリング力を生かし、「職域版キャンサーエコシステム」を実現するプラットフォームの設計・実装を含め、検討を進めていく。
また、日立においても、この検証実績をもとに、日立グループ全体の人的資本・健康経営の推進によるウェルビーイング向上を目指し、先ずは、がんの理解促進に向けた取り組みについて、日立グループ内の展開に向けた検討を進めていく。
なお、3社は、22年12月から、日立の従業員とその家族にがんに関して包括的かつ中長期的なサポート提供する「職域版キャンサーエコシステム」構築の先行検討を開始し、がん予防や治療における職場からのサポートに関する従業員視点での「ありたい姿」の方向性、実現するための施策アイデアと検討してきた。23年9月からは、企業におけるウェルビーイング向上を目指し、施策アイデアの具体化を実施した。これらを踏まえて、今回策定した施策効果を測定するため、日立社内で検証を実施した。
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