【プコン】本社2号館のリノベーション完了‐昭和初期の鉄筋コンクリート建築を次世代へ

2026年02月05日 (木)

 「医・食・住」に関する社会的課題をDXで解決するグローバル・ソリューションプロバイダーであるトプコンは5日、東京・板橋区の本社敷地内にある2号館の耐震改修および増築工事が完了し、竣工する。

 同社は1932年、服部時計店精工舎の測量機部門を母体に東京光学機械株式会社として創業した。30年代に誕生した2号館は、昭和初期の鉄筋コンクリート建築の先進性を象徴する建物となっている。

 設計を担ったのは、「コンクリート博士」と称される建築家の故阿部美樹志氏。鉄筋コンクリート工学の第一人者である阿部氏は、米国イリノイ大学やドイツ・ハノーバー工科大学で学び、阪急百貨店、日比谷映画劇場など、日本の近代建築史に名を残す数々の建築を手掛けている。

 2号館は、当時の本社工場の生産・開発の中核施設として計画され、多くの従業員が働くものづくりの作業環境にふさわしい空間設計が採用されていた。しかし、長い年月の中で実用性が優先された時期には、外壁に配管が露出したり、中庭に設備が増築されるなど、当初の設計思想が損なわれる状況となっていた。

 そこで、配管や仮設物を丁寧に撤去し、耐震補強を目立たない形で施すことで、竣工当時に重視されていた風通しの良さや、人が行き交い対話する抜けの良い空間、開放的な建築の表情を取り戻した。当初の設計思想を受け継ぎつつ、現代にも通じる共通の価値観を体現するワークプレイスとして再生された。

 また、創業期から板橋に拠点を置く同社は、90年以上にわたり地域と供に歩んできている。帰宅困難者対策に基づく災害備蓄の整備や食品寄付など、平時から地域と連携した取り組みを続けている。また、2017年には志村警察署と「大規模災害時における施設等の提供に関する協定」を締結し、庁舎が使用不能となった際には同社施設を代替として提供している。


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