カネボウ薬品は13日から、従来の一般用漢方薬のイメージを一新する「漢方セラピー」シリーズを、全国のドラッグストアで順次発売を開始する。同シリーズは、かぜや鼻炎などの症状のほか、「冷え性」「ストレスによる不眠」「むくみ」「尿の悩み」といった、現代人の多くが悩みを抱えたまま対処できていない15症例を加えた計33処方、42品で構成。売り場で効能が一目で分かるよう商品パッケージを一新し、また症状別カラーリングでカテゴリー分けができる陳列棚を開発するなど、従来の漢方薬のネガティブイメージを払拭する店頭提案で、年間販売額(店頭ベース)30億円を目指す。
漢方薬に対する関心は高まっているものの、「既存品は、どちらかといえば漢方に馴染みのある人向けの商品。漢方初心者には購入しきれない理由が存在している」(カネボウ製薬ヘルスケア事業部マーケティンググループ林宏之氏)ことから、全国の男女1200人に今年アンケートを実施した。
この結果、何に効くのか分からない、分かりにくく選べない、商品情報が少ない、気軽に相談できない、品質が心配、商品を手に取りづらい、服用しにくいなど様々な声が寄せられた。この調査結果を素直に反映し、漢方薬を分かりやすく、消費者が自ら必要なものを選べるよう商品設計して誕生したのが「漢方セラピー」シリーズ。
漢方のパッケージに求められる要素として、圧倒的に多かったのが「何に効くかが分かる」ことだった。そこで難しい処方名を目立たせるのではなく、例えば当帰芍薬散であれば『足腰の冷え、貧血や生理不順の方に』といいように、効能・効果をコピー化して表面一杯にレイアウトした。症状別カテゴリーは、一般向け11品(風邪、鼻炎、胃腸)、女性向け20品(冷え性、更年期、肥満ダイエット、痔、肩こり、肌トラブル、ストレス不眠、便秘)、シニア向け11品(疲れ、高血圧、腰痛、尿トラブル、神経痛)
手軽に試してもらうため、価格を980円02480円に設定。陳列面でも、中央のプロモーションスペースで症状を季節ごとに提案し、定番棚は商品と同様に症状ごとに帯色を統一するなど、分かりやすく、選びやすく、手に取りやすい売り場提供が可能。また販売店向けに販売マニュアル、陳列・棚割マニュアル、一般向けにはホームページ(http://www.k-therapy.com/)のほか小冊子も作成し、情報提供に努めていく。