NECはこのほど、同社のグループ会社であるノルウェーのNEC OncoImmunity AS(NECオンコイミュニティ)が、EUが実施する中核的な研究・イノベーション支援プログラムであるHorizon Europeから助成を受ける「PREPAIR-VAC」プロジェクトに参画すると発表した。同プロジェクトは、新興感染症などのパンデミックへの対策を強化するため、AIを活用した迅速かつ拡張性のあるワクチン開発パイプラインの構築を目指すもの。NECオンコイミュニティは、AIによる抗原予測およびワクチン設計を担う。なお、同プロジェクトへの助成金は、4年間で総額約650万ユーロを予定している。
PREPAIR-VACは、欧州ワクチンイニシアチブ(EVI)がコーディネーターを務めるコンソーシアムによるプロジェクト。コンソーシアムには、蛋白質の生成やワクチンアジュバントの開発、前臨床試験など、ワクチン開発に関わる技術分野を担う機関に加え、倫理的・法的・社会的側面を専門とする機関がパートナーとして参画している。科学技術の開発に加え、AIの責任ある利用や規制面での検討にも取り組んでいく。
開始日は今年の9月1日で、終了日は2030年8月31日となっている。パートナーは、NECオンコイミュニティのほか、NEVEZYNE SAS(フランス)、Croda Denmark A/S(デンマーク)、Uppsala University(スウェーデン)、Universite Jean Monnet-Saint Etienne(フランス)、Niedersachsisches Landesgesundheitsamt(ドイツ)、Medizinische Hochschule Hannover(ドイツ)となっている。
従来のワクチン開発では、一般的に、設計から検証までに一定の時間を要するため、新興感染症などのパンデミック時に迅速にワクチンを供給することが難しいという課題がある。加えて、ウイルスは時間とともに変異する可能性があることから、より迅速で予測性の高いアプローチが求められている。
PREPAIR-VACでは、こうした課題の解決に向けて、欧州のアカデミア、産業界、公衆衛生分野のパートナーがコンソーシアムを形成し、新興感染症に迅速に対応できる次世代ワクチン開発パイプラインの構築を目指している。
同プロジェクトでは、NECオンコイミュニティは抗原予測やウイルス変異予測を行う高度なAIを活用し、多様な変異に対応可能で有効性の高いワクチン候補の開発を支援していく。これによって、病原体情報の取得からワクチン設計までの所要時間の短縮を図っていく。
Horizon Europeは、EUが実施する研究・イノベーション分野の国際共同研究支援プログラム。2021年から27年にかけて総額955億ユーロを拠出し、厳格な審査のもと、戦略的課題に取り組む多国籍プロジェクトを支援している。
今回、PREPAIR-VACは、パンデミックへの備えと次世代ワクチン技術に焦点を当てた公募において採択された。これは、COVID-19以降、EUが重点的に投資している研究領域の一つとなっている。
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