島津製作所はこのほど、米国のバイオテクノロジー企業であるAxio BioPharma Inc.(Axio)と、AIを活用して細胞培養培地を最適化するための協業を開始した。この協業では、島津製作所の培養最適化支援ソフトウェア「CellTune Ver.2」および「培地ブレンドキット」と、Axioの有する抗体発現・評価技術を組み合わせ、バイオ医薬品開発における培地の最適化を目指していく。
島津製作所の「CellTune Ver.2」は、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)による培養上清液の分析データをもとに、培地組成や培養環境などの最適な条件をAIが提案するソフトウェア。「培地ブレンドキット」は、ベース培地と複数のサプリメントがキット化されたもので、提案された組成の培地を迅速に調製できる。
Axioは、抗体発現評価や培養条件を検証する実験基盤を有し、医薬品開発を支援している。今回の共同実証では、島津製作所の技術によって提案される培養条件をAxioのラボで試験・評価し、その結果を条件設計へ反映することで、データに基づく反復的な最適化プロセスを検証していく。
近年、抗体医薬品や細胞・遺伝子治療製品(CGT)などのバイオ医薬品市場は世界的に拡大している。その製造に用いる細胞培養工程では、培地の選定や組成設計が、生産性や品質、コストを大きく左右する。
培地には、アミノ酸やビタミンなど多数の成分が含まれ、その組み合わせは膨大となっている。これまでは研究者の経験に依存する部分が大きく、培地組成の最適化が重要な課題となっていた。
今回、島津製作所はAxioとともに培地最適化ワークフローの実用性を評価し、バイオ医薬品の研究開発や製造プロセス開発を支援していく。同社は今後も、国内外のパートナーとの連携によって、北米市場をはじめとしたバイオ医薬品産業の発展に貢献していく。
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