バイオベンチャーのメディシノバは、米アヴィジェンと最終的な合併契約を締結したと発表した。買収金額は約3700万ドル。年内には、両社の株主から承認を得た上で合併を完了し、中断していた多発性硬化症治療薬「MN‐166」の導出交渉を再開する予定。MN‐166の導出は2010年第1四半期となる模様だ。アヴィジェンの買収が決着したことで、MN‐166の導出交渉は重要な局面を迎えることになる。
メディシノバは昨年12月、MN‐166の導出交渉を有利に進めるため、同じ成分である「AV411」の開発を断念したアヴィジェンに買収を提案し、AV411の権利取得に乗り出した。当時、MN‐166の導出交渉は大詰めを迎えていたが、神経因性疼痛などの幅広い適応を取得することで、導出交渉を有利に進める方針に転換。6月には、両社の合併に向けた覚書を締結し、今回、最終的な合併契約の締結に至った。
今後、両社の株主から承認を得た上で、年内には合併を完了する。注目されるMN‐166の導出交渉は、買収の決着次第との情勢となっていたが、最終的な合併契約を受け、早ければ年内にも導出交渉が再開されることになる模様。昨年以来、大幅に遅れていたMN‐166の導出だが、アヴィジェンの買収に決着がついたことで、10年第1四半期にも導出が実現する可能性が出てきた。