TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

マツキヨHD、ローソンが業務提携‐11年にはローソン500店舗で医薬品販売

2009年08月26日 (水)
握手する両社幹部

握手する両社幹部

 マツモトキヨシホールディングス(マツキヨHD)は24日、コンビニエンスストア大手のローソンと、業務提携を発表した。両社グループの持つ専門的なノウハウ・インフラなど、経営資源を互いに活用していく。具体的な提携内容は、登録販売者をはじめとした人材の交流、PB商品開発、新型店舗の展開など。両社では、今年度中にも合弁会社を設立し、ドラッグストアとコンビニの商品・運営・専門性を融合した新業態店の展開に力を入れる。明年には第1号店を出店し、市場ニーズに合わせて出店拡大を図っていくが、中でもローソンでは、2011年にはコンビニでの医薬品販売を500店舗に拡大させたい考え。両社とも、現時点では「資本面の提携については議論していない」とし、新会社発足も含めて、今後提携内容の詳細について詰めていくという。

 6月からの改正薬事法施行により、登録販売者の導入を含めたOTC医薬品の新たな販売体制がスタートしたことで、ドラッグストア業界では従来からの同業間の競争激化に加え、異業種からの医薬品販売への参入が加わった。

 業種・業態を超えた“同質化”傾向により、競争環境が一層厳しさを増すことが予想される中で、マツキヨHDでは「ドラッグ業界における差別化・優位性の確保に向け、異業種のノウハウ、販売チャネルを取り込むことで、持続的な成長へつなげていく。ローソンの高い商品販売力、FCビジネスのノウハウ、物流体制など、マツキヨグループの持つ専門性と融合することで、新たな市場開拓による相互のシナジーが図れると確信している」(吉田雅司社長兼COO)とする。

 マツキヨHDでは数年前から、東京六本木で24時間営業を実験しているが、夜間の医薬品の需要は非常に高いという。また、過去には16店舗ほどコンビニの中で医薬品の販売を手がけたが、薬剤師が足らずに断念した経緯もある。登録販売者の導入により、深夜での医薬品販売がしやすくなり、長時間営業できる業態開発を目指していた。

 松本南海雄会長兼CEOは「全国展開するローソンは、レギュラータイプに加え、ナチュラルローソン、ローソンストア100など様々なタイプのコンビニを開発しており、ローソンと組むことがベストと判断した。マツキヨHDの知名度、医薬品のPBなどを組み合わせることにより、新たな業態を開発することもできるし、既存のコンビニの成功例を(ドラッグに)持ち込むことも可能」とする。

 マツキヨHDとして今回の提携は、グループ化・FC化戦略に向けたPB商品の展開、そして合弁会社設立による新業態開発という、大きな二つの戦略がある。医薬品・化粧品・日用品・雑貨・食品など、約1600アイテムある既存PB商品に加え、ローソンとの共同開発によるPB商品(医薬品・化粧品ほか、内容や品目数は今後検討する)を、マツキヨHDグループ、FC契約先、ローソン及び新業態(合弁会社)に供給する。この差別化商品を核に、卸売事業とFC店舗の拡大につなげ、目標である『15年度にグループ売上高1兆円』の実現を図る。

 09年度中に設立予定の合弁会社では、ドラッグストアでの運営ノウハウ・専門性を提供することで、新たな業態開発を目指す。「店舗形態としては、単にドラッグとコンビニを融合した店舗ではなく、両者のノウハウ、得意とする分野を結集して、今までの慣習にとらわれない新業態を作り上げたい」(吉田社長)とする。

 一方、コンビニを取り巻く環境も、少子高齢化、低価格志向の進展などで確実に変化している。ローソンの新浪剛史社長CEOは、会見で「コンビニの環境は、間違いなく飽和している。若者層だけでなく、中高年層への利用拡大に向け、積極的に新たな業態にチャレンジしてきた。現在、一部の店舗内に調剤薬局を入れた『ファーマシーローソン』を展開しているが、お客様からは医薬品販売への強い要望もあるのも事実で、かねてから(単独ではなく他企業と組んで)医薬品販売をやりたいと考えていた。提携は私どもから声をかけた」と述べた。

 新業態店舗に関しては「売り場面積が約60~100坪で、コンビニとドラッグの中間サイズを想定している。OTCの第1類販売と調剤も組み入れた“日本版ウォルグリーン型”が視野にある。糖尿病患者に向けた食品の提案など、医食同源の品揃えも手がけることで、コンビニの信頼度も大きく変わってくるはず」(新浪社長)としている。



‐AD‐

この記事と同じカテゴリーの新着記事

HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術