大正製薬、日清ファルマ、日本ミルクコミュニティの3社は、抗疲労効果など新しい機能性食品素材として注目されている「アンセリン」を配合した新商品を、1日から一斉に発売した。大正製薬は、健康ケアサポート商品を展開している「Livita(リビタ)」ブランドから粉末緑茶、日清ファルマはサプリメント、日本ミルクコミュニティは野菜系飲料での発売。各商品には共通ロゴマークが標記され、今後は3社で共同販促なども展開していく。
アンセリンは、β‐アラニンとメチルヒスチジンの2種類のアミノ酸が結合したペプチドの一種で、特にマグロやカツオなどの高速回遊魚の筋肉中に多く含まれる。マウス実験などでは、運動能力を長く維持できることが確認されているほか、尿酸値抑制作用・活性酸素消去機能・血圧降下作用などの機能性も期待されるという。
3社の製品に含まれるアンセリンの供給元は、水産加工品メーカー大手の焼津水産化学工業(焼津市)。独自製法により、マグロ・カツオ加工品の製造時に出る煮汁から高純度アンセリンの精製、量産化に成功した。同社の技術で粉末化されたアンセリン(製品名「マリンアクティブ10」)は、マグロ・カツオの刺身に比べ、プリン体が約99%カットされ、魚特有の味や生臭さが極力低減され、食品・飲料にも配合しやすいのが特徴。
大正製薬が発売したのが、栄養補助食品の「アンセリン粉末緑茶」。1日目安量の1包中に、アンセリン50mgを配合し、約100mLのお湯や水などに溶かして飲用する。静岡県産の良質な茶葉を使用し、香り豊かなスッキリした味わいに仕上げた。携帯にも便利なスティックタイプで、税込み希望小売価格は4g×14包入り1800円。初年度販売目標は、出荷ベースで1億円とする。
このほか、日清製粉グループの日清ファルマは、アンセリン50mgにビタミンB群などを配合したサプリメント「アンセリンB」(90粒入り3990円)、日本ミルクコミュニティは、アンセリン50mgに11種類の野菜を使用した飲料「農協1日分の野菜アンセリン」(税別103円)を、それぞれ新発売した。
3社は今後、互いに情報を共有しながら、様々な形で共同マーチャンダイジング・共同販促を展開していく。既に大正製薬と日本ミルクコミュニティでは、ドラッグストアやスーパーなど、小売への商談を協力して行っており、「好調に出荷が進んでおり、一部ルートでは品切れも見られるほど」(高橋伊津美大正製薬執行役員商品開発本部長)という。