武田薬品は来年2月、ブラジルに販売子会社を設立する。自販地域の拡大を急ぐ武田は、10月にトルコ、メキシコに販売子会社を設立し、新興国市場に本格参入した。それに加え、南米に初進出し、BRICsの一角を占め、成長著しいブラジルで自社販売をスタートさせることになった。
ブラジルの医薬品市場規模は、南米全体の約40%を占めている。これまで武田は、ブラジルでの事業展開を、抗癌剤「リュープリン」や高血圧治療薬「プロブレス」、糖尿病治療薬「アクトス」、点眼薬「カタリン」、消化性潰瘍剤「タケプロン」を他社に導出することによって進めてきた。
しかし、ブラジルの医薬品市場は2013年まで、年率8・5%で毎年成長するものと予想されるなど、今後も高成長が見込まれることから、ブラジルでの事業基盤を強化する必要があると判断し、自販体制を確立することになった。
ブラジル販社の設立後は、消化性潰瘍治療薬「TAK‐390」と、高血圧治療薬「TAK‐491」の2製品を市場に投入する予定。MR50人を現地採用するほか、米子会社「TPNA」との連携によって、ブラジルでの販売体制を強化する方針だ。