日本電気(NEC)は、製薬企業が医薬品卸経由の製品販売・納入実績を把握し、データを自社で活用できる形に変換処理する「実消化システム」のクラウドサービスを開始した。2011年1月から新サービスを提供する予定で、販売目標は3年後に製薬企業20社への導入を目指している。
これまで製薬企業は、医薬品卸から業界VAN経由で入手した販売実績データについて、自社で活用できる形に変換処理するシステムを各社ごとに構築し、運用していた。ただ、厳しさを増す業界環境を受け、システム投資の削減が要求され、共通項目の多い実消化システムを構築、運用するコスト削減が迫られていた。
こうした中、NECは、製薬企業に導入実績のある実消化テンプレートをもとに、業界全体で適応性の高い機能をSaaS型で提供するクラウドサービスの販売を開始した。
新サービスは、NECのテンプレートから必要な機能だけを選べるため、導入期間を大幅に短縮。トランザクション処理量に応じた課金体系によって、企業規模に応じた最適なコストでの利用を実現した。また、処理エンジンには、NECのソフトウェアを採用し、処理時間を飛躍的に向上させることで、高品質・超高速な実消化データ変換サービスを提供する。
NECは、ITシステムの導入、維持・管理費用の削減ニーズが高まる中、「クラウド指向サービスプラットフォームソリューション」をはじめとするサービス事業を推進している。実消化クラウドサービスの販売開始は、こうした活動の一環。
今後、さらに営業・マーケティング領域への提案活動を展開し、製薬企業向け事業を強化していく方針だ。