厚生労働省は、新たな多剤耐性菌の実態調査で、KPC型カルバペネマーゼ産生肺炎桿菌が2検体から検出したと18日に発表した。松下記念病院(大阪府)に外傷治療で入院中の40代の男性から、11月上旬に採取した2検体で、肺炎桿菌による感染症状はなく、保菌している状態だという。
KPC型カルバぺネマーゼ産生菌の報告は、過去に1例が学会報告されたのみ。今回の患者は、海外で手術を受けた後に帰国し、現在も入院治療を継続しているが、他の入院患者から多剤耐性肺炎桿菌は検出されていない。
実態調査では、9月中旬からカルバペネム系、フルオロキノロン系、アミノ配糖体系の3系統全ての抗菌薬に耐性を示す菌の提出を、全国の医療機関に求めている。18日までに国立感染症研究所が82株の解析終えたところ、MP‐1産生が43株、NDM‐1産生が1株、KPC産生が2株で、残る36株は陰性だった。