
1日に開設された「東京都医学総合研究所」
東京都は1日、より高い疾病予防・治療研究を推進していくことを目的に、医学系3研究所(都神経科学総合研究所、都精神医学総合研究所、都臨床医学総合研究所)を統合し、新たな施設として「東京都医学総合研究所」を開設した。所在地は世田谷区上北沢2の1の6、5階建てで建築面積5518m2、延べ床面積1万9982m2。
これまで神経科学総合研究所では、アルツハイマー病に対し、有効で安全性の高い非ウイルス性DNAワクチンの開発に取り組んできた。
また、精神医学総合研究所では、認知症発症の原因として、TDP43という蛋白質の異常蓄積があることを発見し、この機能異常を組み込んだモデルマウスの作製を進めると共に、この蛋白質を標的とした治療薬候補物質の選定と検証に取り組んでいる。
三つの研究を統合した医学総合研究所では、各研究所がそれぞれ独自に培ってきた研究ノウハウの結集や、研究基盤の集約を図っていく。▽アルツハイマー病のワクチン療法の研究開発▽認知症の原因となる異常蛋白質を標的とした治療法の開発▽新型インフルエンザの迅速な診断法の早期開発▽予防効果の高いワクチンや治療薬開発のための基礎研究――などに取り組んでいく。