一時的な不眠症状を改善するOTC睡眠改善薬「ドリエル」(指定第2類医薬品)を発売するエスエス製薬では、ジフェンヒドラミン塩酸塩(DPH)が睡眠に及ぼす影響について科学的な検証を行ってきたが、このほど「睡眠と深部体温に対する有用性」を確認したという。研究成果は15日の日本睡眠学会第36回定期学術集会(京都)で発表する。
これまでの研究でも、ストレスが負荷されると睡眠が抑制され、深部体温が上昇することは確認されている。また、深部体温の低下が入眠のしやすさや、睡眠の質に大きく影響することが分かっている。エスエス製薬では、ストレスによる不眠に対して、DPHの効果を科学的に検証するため、ターゲットを想定したストレス負荷モデルを作製し、睡眠の質と量、さらに深部体温に対する影響を検討した。
その結果、DPHは寝入りを良くし、睡眠時間を増加させると共に、深い睡眠(質の良い睡眠)の指標となる脳波δ成分を増加させることを確認した。また、深部体温に対しても、DPHは入眠時の体温低下を促進することが確認されるなど、一時的なストレスによる不眠などの睡眠障害に対するDPHの有用性が示唆されたという。