イチジク製薬は3月26日から、便秘薬「Resetch(リセッチ)」(第2類医薬品)を新発売する。安心して使用してもらうために、薬液が見える透明の容器にしたほか、多くの若い女性に支持を得たかわいいパッケージを採用し、魅力を分かりやすく表示している。同社では、便秘に悩みながらも便秘薬を使用したことがなかったり、便秘薬の使用に躊躇している人が、10~20代を中心に若い女性層に多いことから、「『飲まない、便秘薬』という新しい考えに基づいた、浣腸であって浣腸でないというような感覚の商品」(今川拓一社長)を新たに投入することで、女性のニーズに応えると共に、便秘薬市場の拡大も視野に入れる。
便秘薬の販売額推移からは、数字の上からは安定して推移はしているものの、自然で穏やかな排出を訴求する商品が相次いでいることもあり、飲み薬に対する需要はやや縮小傾向にある。イチジク製薬では、「今後、女性のニーズに応えた新商品が市場拡大のカギになる」と分析している。
同社の調査によると、便秘に困っている女性は約3人に1人で、特に10代や20代の若い女性での割合が高かったという。一方で、10~20代の女性は便秘薬を使う傾向が比較的低いことも明らかになっている。また、実際に便秘薬を使う女性に対する調査では、「いつ出るか分からないので不安」「お腹が痛くなる、お腹をくだす」など、約9割が便秘薬に対して何らかの不満を持っていた。
そこで、便秘薬に不満を持ち、便秘薬の使用を控えたり、使用を躊躇している人をターゲットに据えた。「仕事、会議(授業)、デートなどの途中で、いつ出るのか不安」「クセになってしまう」「お腹が痛いのがイヤ」「休日に遊びに行くので、すぐに出したい」「週末食事に行くので、すぐに出したい」といった若い女性を狙い、便秘薬市場の拡大も目指す考えで、新商品「リセッチ」を開発した。
「リセッチ」は、つまった便に直接作用するので、使用してすぐに(目安として3~10分)効果が出る。薬液は便と共に体外に出ていくので、体の中に残らない。主成分は、食品にも使用されているグリセリンを使用している。特にグリセリンは、腸の働きを活発にするほか、便を軟らかくしたり、すべりをよくするなどといった働きが特徴。同社の調査では、商品の特徴を理解した後では、約7割の人が使用意向を示したという。
パッケージに関しても、工夫を凝らしている。便秘に悩む若い女性自身に選んでもらったもので、手に取りやすい、かわいいパッケージとした。ネーミングにも浣腸という名前を使用せず、「飲まない、便秘のお薬リセッチ」とした。
今川社長は、「1~2年で根づくとは思っておらず、10年、20年先を見越した商品だが、早期から取り組んでいくことが重要」とする。販売面については、「従来の浣腸売場ではなく、飲む便秘薬の売場にもっていこうと考えている。その売場の中に入れても違和感のないパッケージと思う」としている。初年度の売上目標は、1億5000万円。