埼玉県は6日、県下で小売店を運営する業者に対し、2008年度から10年度に実施された同県登録販売者試験で、虚偽の実務経験証明書を発行していたとして、同社従業員29人に対し受験無効、合格取り消し、販売従事登録の消除処分を行うとともに、開設者に対し厳重注意を行った。
処分対象となったのは、ディスカウントスーパー「ロヂャース」を展開する北辰商事とロヂャース(いずれも本社所在地は東京都武蔵野市、太田実代表)。県が匿名の通報をもとに、事実関係を確認したところ、勤務記録を十分に確認せず、実務経験があると虚偽の証明書を発行していたことが判明した。
このため、虚偽の実務経験証明書による出願者29人に対し、受験の合否にかかわらず無効に、試験合格者14人は合格取消、県内での販売従事登録者12人を登録消除とする各処分を行った。県外で販売に従事していた登録者2人については、登録先の東京都に合格取り消しを通知した。さらに、当該事業者に対し、薬事法令を遵守し再発防止に万全を期すよう、文書により厳重に注意した。
県保健医療政策課によると、登録販売者に係わる処分は県内では初めてという。今後の対応として今年度試験から、▽出願時に、勤務簿の写し等、一般用医薬品の販売等に従事した時間を客観的に証明する書類の提出を求める▽出願者の勤務店舗等に対し、薬事監視時に実地確認する--など、実務経験の確認を強化する。