B型ボツリヌス毒素製剤「ナーブロック筋注2500単位」(一般名:B型ボツリヌス毒素)は嫌気性のB型ボツリヌス菌が産生する蛋白質で、適応症は痙性斜頸。神経接合部の運動神経終末に特異的に作用することで、アセチルコリン放出を阻害して筋弛緩作用を示す。
米国とアイルランドのエラン社から2000年9月に日本での独占的開発・販売権を取得し、11年1月に承認を取得したが、エランから権利を承継した供給元の米ソルスティス社の製造委託先が品質管理体制を見直した影響で、薬価収載と発売を見合わせていた。
国内プラセボ対照二重盲検比較試験で、投与4週後の治療評価尺度のスコア変化量がプラセボに対して優位に改善し、重篤な副作用は見られなかった。発現率の高い有害事象は嚥下障害、口内乾燥、口渇だった。
初回投与量は合計で2500~5000単位。緊張筋が複数の場合は分割投与する。効果不十分や症状再発の場合は合計1万単位を上限に再投与できる。