
日本薬科大学は、漢方、アロマテラピー、鍼灸、サプリメント、ヨガ、アーユルヴェーダ、薬膳といった幅広い補完医療の知識を体系的に学べる、職業実践力育成プログラム「漢方アロマコース」を4月から開講する。漢方界に精通した同大学の丁宗鐵学長を含め、美容や健康・医療業界のプロが直接指導する本格講座で、漢方やアロマの実践的な知識を学ぶことができる。薬剤師、登録販売者、看護師、介護福祉士などの医療関連職種、ヘルスケア関連企業の関係者はもちろん、趣味や教養として学びたい一般をも対象としている。通常では見学できない漢方製剤工場や漢方薬局の見学、栽培地や植物園での薬草観察などの現地研修も盛り込んでおり、これまでにない“学びながら体験できる”画期的なプログラムとなっている。
文部科学省では、大学・大学院・短期大学・高等専門学校におけるプログラムの受講を通じ、社会人の職業に必要な能力の向上を図る機会の拡大を目的に、大学等における社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムを「職業実践力育成プログラム」として認定を行っている。昨年12月に制度創設後、初めて123課程が文部科学大臣より認定を受けたが、日本薬科大学の同プログラムもその一つ。
「漢方アロマコース」は、漢方やアロマテラピー、健康食品、温泉などについて専門家が講義する「講義」、軽井沢セミナーハウスでアロマテラピーや薬膳、ヨガ、マクロビオティックなどを体験しながら学ぶ「体験」、漢方薬工場や漢方薬局の見学、植物園や秩父の山野において薬草観察などの「見学」──という大きく三つの内容で構成する。
主な講座では、漢方診断学、漢方処方学等による診断・処方等の理論を学ぶ「漢方診断学」(担当講師は丁宗鐵氏)、精油を用いた生活用品の実作を体験することでアロマテラピーの活用を学ぶ「アロマテラピー体験」(勇美記念財団・中山恵美子氏)、抗加齢医学に基づく生活習慣改善法などを学ぶ「アンチエイジング」(日本薬科大学・井上裕子氏)をはじめ、鍼灸の基礎や手技療法・美容鍼灸を学ぶ講座、煎薬・丸薬を作制する講座など幅広い。
期間は今年4月~来年3月までで、総授業時間は前・後期合わせ130時間(月2~3回、日曜日開講。前・後期でカリキュラムは異なる)。場所は日本薬科大学お茶の水キャンパス(東京文京区湯島)ほか。プログラム修了者(120時間以上受講者)には、学校教育法に基づく「履修証明書」が交付される。また「研修認定薬剤師」「漢方薬・生薬認定薬剤師」更新のための受講シール、「NR・サプリメントアドバイザー」の研修単位が取得できる。
受講料(税込み、資料代等含む)は、前・後期各7万5000円(通期15万円)で、軽井沢セミナーハウスでの研修の際の食事・宿泊費も含まれる(交通費は別)。1日のスポット受講も可能(税込み、資料代等含め5000円)。定員は50人。詳細は同大学ホームページ(http://www.nihonyakka.jp/)
なお、20日の午後1時から「漢方アロマコース」の開講記念講演&講座説明会を、お茶の水キャンパス1号館で開催する。特別講演では、丁宗鐵学長が「漢方と食事」と題し講演する。こちらの申し込み、詳細についても前記ホームページへ。