国内でも検討スタート
医薬品の動物試験における対照群を背景データの一部を用いたバーチャル対照群(VCG)で代替して毒性試験結果を評価する新たな検討が国内でスタートしている。臨床試験で始まったVCGの概念だが非臨床試験にも波及し、VCGを用いた評価法を導入することで動物の使用を約3割削減できる可能性があるという。欧米では昨年、VCGに関するコンソーシアムが創設され、国内でも日本製薬工業協会内に検討チームが立ち上がった。米国食品医薬品局(FDA)が動物実験を削減する方針を表明する中、非臨床試験を変革する毒性評価手法として製薬業界からの関心も高いようだ。
VCGは過去の動物試験などの背景データからコンピューターモデリングやシミュレーション技術などを駆使して仮想的に対照群を生成する評価手法であり、非臨床毒性試験の同時対照群を置き換える代替評価方法として期待されている。臨床試験では希少疾患など被験者確保が困難な試験や倫理的に対照群が困難な試験において過去の臨床試験や実臨床のデータから構成したヒストリカルコントロール群を用いた試験が検討されている。2020年から非臨床分野への適用の議論が始まった。
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