エムスリー子会社でゲノム解析事業を手がける「G-TAC」と、メタボローム解析事業に強い山形県鶴岡市のバイオベンチャー「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ」(HMT)は、医療機関向けに大うつ病性障害の診断に用いるバイオマーカーの提供を開始した。HMTが研究用途で、うつ病のバイオマーカーを全国の医療機関に提供し、G-TACがエムスリーグループの販路を活用し、販売を行う。9月に数施設で試験導入し、10月以降に順次展開していく。
うつ病患者の医療機関への受診率は低く、診断精度の低さも問題視されている。そんな中、HMTは、世界先端のメタボローム解析技術を用いて、エタノールアミリン酸(PEA)の血中濃度が大うつ病性障害の患者で著明に低下していることを明らかにした。患者1085人と健常者72人を対象に比較検討を行った2014年の臨床研究では、感度94.4%、特異度と92.8%と、うつ病の診断性能が高いバイオマーカーとしての可能性を見出した。治療経過に相関した変動も認められ、臨床的にも有用性が高いとしている。
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