小林製薬は、漢方薬「清肺湯」の処方により、タバコや排気ガスなどによる気管支の汚れをキレイにしながら、しつこい咳・気管支炎を改善する「ダスモック」(第2類医薬品)に、飲みやすい錠剤タイプを新発売する。また、顆粒タイプについては従来の1日3回服用から“1日2回服用”にリニューアルする。2014年に発売した「ダスモック」は、鎮咳去痰薬市場の拡大に貢献する好調な推移を見せているが、顆粒が苦手な人に錠剤タイプを追加することで新規ユーザー獲得を目指すと共に、1日2回服用とすることで飲み忘れを減らし、効果実感を高め満足度向上を図り、売上拡大につなげる。
同品に用いている「清肺湯」は、中国・明時代の古典書「万病回春」に記載されている処方で、16種類の生薬を組み合わせた漢方薬。古くから慢性的な呼吸器疾患や粘り気の強い痰が切りにくい場合に用いられてきた。喫煙などによりダメージを受けた肺や気道の血流に働き、気道組織の潤滑・再生を促すと言われている。
小林製薬は「ダスモック」の開発に際し、この“清肺湯の効果を余すことなく生かす”ことにこだわったという。生薬の持つ有効成分がなるべく多く抽出できるように、エキス製造工程を工夫し、できるだけ素早く体内に行き渡らせるために、粉末化したエキスを顆粒剤にした。発売初年度の14年は2億3100万円、翌15年は10億1600万円、16年は13億2400万円と、発売以来、着実に売上を伸ばしている。
一方、同社が行った調査(蓄膿症罹患者500人が回答)では、「最も飲みやすい剤形」を聞いたところ、80%の人が「錠剤」を挙げたという(顆粒・粉末は8%、液体ドリンクは5%)。さらに、「ダスモック」を購入した人で、アンケートハガキを返送してくれた人への調査からは、1日の服用回数は「1回」が21%、「2回」が50%、「3回」が29%と、望まれる用法・用量(1日3回)通り服用している人が少ないことも分かった。
そこで今回、漢方薬の独特な苦みによって顆粒タイプが苦手な人や、服用時に口やのどに顆粒が残ると感じている人にも飲みやすいよう、錠剤タイプを追加する。さらに、飲み忘れてしまう人にも、より効果を実感してもらえるよう、用法を1日2回服用に変更した。顆粒タイプも錠剤タイプも、どちらも1日2回の服用(顆粒は1回1包、錠剤は1回5錠)なので、好みの剤形を選べる。
税別希望小売価格は、顆粒が8包1500円、16包2700円、錠剤が40錠1500円、80錠2700円。