臨床検査機器・試薬メーカー大手のアークレイは、このほど免疫反応測定装置スポットケムIMの新専用試薬として、腎機能障害の早期発見に威力を発揮するスポットケムi-Pack CysC(シスタチンC)を発売した(写真)
血液(血清・血漿)を用いて、腎機能障害の推定マーカーであるシスタチンCとクレアチニンを同時に測定できる試薬である。シスタチンCは、全身組織から分泌される低分子蛋白質で、要因に影響されず一定に分泌されるため、腎機能障害を正確に推定できるマーカーとして知られている。
腎機能検査は、クリアランス試験が理想的とされるが操作が煩雑であり、また簡易検査法のクレアチニン測定には、初期障害を十分発見できないという欠点があった。
一方、シスタチンCはクレアチニンに比べ、軽度の腎機能低下でも血中濃度が上昇することが知られており、このシステムと試薬を用いることで、一般の診療所でも簡単に初期の腎機能障害が発見できるようになるという。
2006年末の日本透析学会の調査によると、国内の透析患者は26万5000人で、毎年1万人ずつ増加している。腎機能障害を早期に発見する同試薬は、結果として透析移行を減少させて医療費削減に結びつくため、アークレイでは需要が膨らむものと期待を寄せる。
販売価格(税込み)は、1箱25個入りで3万6700円。販売は国内販売統括会社のアークレイマーケティングが担当する。