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文部科学省はこのほど、医学部定員増に関する対応方針をまとめ、5日付で医学部のある各国公私立大学長に通知した。教育環境整備などを支援し、「過去最大程度」(1982年の8280人)の増員を図っていく。
今回の医師不足対策は、6月27日に閣議決定した「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2008」を踏まえてのもの。同方針では、医師の大都市中心の地域偏在や、産科や小児科、救急医療などでの医師不足を解消するため、長期的取り組みとして、「(医学部定員を)早急に過去最大程度まで増員すると共に、さらに今後の必要な医師養成について検討する」としていた。
文科省がまとめた対策の一つは、各大学が行う収容定員変更に関する許可申請期限を、今回の増員に限り10月末まで延長する特例措置を設けること。また、2009年度概算要求で、入学定員増に伴う環境整備の支援を検討していく。
さらに、増員を希望する大学には、医師不足が深刻な地域や、診療科の医師を確保するための実効ある取り組みに関する計画の提出を求め、文科省はその計画を実効性、継続性等の観点から審査し、増員を認めていく。
計画の例としては、▽医師派遣(紹介)など医療機関との連携による地域医療への貢献▽医師不足が深刻な地域や診療科の医療を担う医師の養成プログラム▽大学や都道府県等による奨学金の設定――などが挙げられている。
また、歯科学部定員を98年度比で10%以上削減している私立大学については、削減数を医学部定員へ上乗せすることもできるようにした。
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