医薬品医療機器総合機構(PMDA)の佐藤大作組織運営マネジメント役は、本紙の取材に対し、疾患登録システムの患者レジストリを用いた医薬品の承認申請について、「現状の医薬品開発では難しい疾患に患者レジストリを活用していく方向性が一番分かりやすい」との見解を示した。今年度中にレジストリに関するガイドラインを策定し、難病や希少疾患を対象とした治験対照群やレジストリ内臨床試験、製造販売後調査などでの活用を想定する。患者レジストリの信頼性基準については、「GCPへの対応など治験と同等の要求事項にはせず、利用目的に応じた要件を定めたい」との考えを示した。
患者レジストリは特定疾患で患者の治療内容や治療経過を管理するデータベース。患者レジストリを用いた治験は、ランダム化比較試験を代替する実施方法として注目されている。免疫抑制剤「プログラフ」の多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎の適応追加申請や、低ホスファターゼ症治療薬「ストレンジック」の新薬申請では、国内外の後ろ向き研究で得た自然歴データが治験の外部対照群として用いられた。
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