琉球大学は、再生医療等製品に用いられるヒト細胞原料の提供に向け、日本初の「産業利用倫理審査委員会」を設置し、ヒト組織を製薬企業に適切な形で提供できる体制を構築した。ヒト組織を産業目的で使用することについて専門的に審査を行い、製薬企業がヒト組織を入手しやすい体制を整備し、再生医療等製品の開発加速を後押しする。既に昨年11月には同委員会の審査を経て、ロート製薬にヒト脂肪組織を提供した実績があるほか、複数の製薬企業が同委員会を通じたヒト組織の提供について審査・承認を目指しているという。
再生医療等製品の開発をめぐっては、ヒト細胞原料の安定供給が重要な要素となっているが、ヒト細胞原料の採取・供給やその活用には、法律や手続き、倫理的観点や社会の理解など様々な課題が存在し、再生医療等製品開発のハードルとなっていた。琉球大は2018~20年度にかけて日本医療研究開発機構(AMED)から委託を受けこれらの課題解決に取り組み、20年7月には大学規則の改正と新規則の制定を行い、日本初の産業利用倫理審査委員会を設置した。
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