左室駆出率が保持された心不全でもジャディアンスが使用可能に-米FDAが承認

2022年03月23日 (水)

Photo Credit: Adobe Stock

 米食品医薬品局(FDA)は2月24日、SGLT(ナトリウム・グルコース共輸送体)2阻害薬のジャディアンス(一般名エンパグリフロジン)について、左室駆出率を問わない心不全による入院リスクと心血管死リスクの低減を目的に、適応拡大を承認したことを発表した。

 ジャディアンスはもともと、成人2型糖尿病患者の食事と運動による血糖コントロールを改善するための補助療法として、2014年にFDAの承認を受けていた。同薬剤はまた2021年に、心血管疾患を有する成人2型糖尿病患者における心血管死のリスク低減と、左室駆出率が低下した心不全患者の死亡と入院リスクの低減を適応として承認されている。今回の承認により、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)患者にも適応範囲が広がった。これにより、米国内に約300万人いると推定されるHFpEF患者の治療におけるアンメットニーズに対処できるようになる。

 この承認は、第III相国際ランダム化二重盲検試験(EMPPEROR-Preserved試験)の結果に基づくもの。本試験では、左室駆出率が40%超のHFpEF患者5,988人を、ジャディアンス10mgを1日に1回投与する群(2,997人)と、プラセボを投与する群(2,991人)にランダムに割り付け、同薬剤の安全性と有効性を評価したもの。平均2年間での心血管死または心不全による入院が生じた患者の割合は、ジャディアンス投与群で14%だったのに対して、プラセボ投与群では17%だった。ジャディアンス投与群で認められたこのベネフィットは、主に同群では心不全による入院患者が少なかったことに帰すことができると見られた。

 ジャディアンスで最も頻繁に報告されている有害事象は、尿路感染症や女性の真菌感染症などである。FDAは、同薬剤は重篤なアレルギー反応を持つ患者や透析中の患者には使用すべきではないとしている。

 FDA医薬品評価研究センター(CDER)のNorman Stockbridge氏は、「今回の承認により、より幅広い層の心不全患者に新たな治療選択肢がもたらされることになるだろう。ジャディアンスが全ての心不全患者に対して効果があるわけではないが、この承認は、心不全患者にとって、そしてわれわれの心不全に対する理解において、重要な一歩を刻むものだ」と述べている。

 なお、ジャディアンスの承認は、ベーリンガーインゲルハイム社に対して与えられた。(HealthDay News 2022年2月28日)

Source
https://consumer.healthday.com/fda-expands-approval-of-jardiance-for-patients-with-heart-failure-2656805940.html

More Information
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-treatment-wider-range-patients-heart-failure

https://www.boehringer-ingelheim.us/press-release/us-fda-approves-jardiance-empagliflozin-treat-adults-heart-failure-regardless-left


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