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米食品医薬品局(FDA)は2月23日、肛門性交(アナルセックス)によるヒト免疫不全ウイルス(HIV)やその他の性感染症を予防するようデザインされたコンドームの米国内での販売を初めて承認した。承認された「One Male Condom」という名称の製品は、膣性交時にも妊娠および性感染症のリスク低減の目的で使用できるという。
FDA医療機器・放射線保健センター(CDRH)のCourtney Lias氏は、「肛門性交時の性感染症リスクは、膣性交時よりも大幅に高い。肛門への使用を目的として作られ、評価されたコンドームをFDAが承認したことにより、肛門性交時のコンドーム使用率を向上させることができるだろう」と述べている。
One Male Condomは、米Global Protection Corp.が販売する。同製品は、天然ゴムラテックスでできており、標準、薄型、ジャストフィットの3つのタイプがある。ジャストフィットタイプには、54種類のサイズが用意されている。肛門性交中に使用する場合には、潤滑剤とともに使用する必要がある。
同製品の安全性と有効性に関しては、男性と性交する男性252人、および女性と性交する男性252人(いずれも18~54歳)を対象に臨床試験が実施された。コンドームの不具合(脱落、破損、またはその両方)の発生率は、肛門性交時で0.68%、膣性交時で1.89%であった。
全体的な有害事象の発生率は1.92%で、その内訳は、症状のある性感染症または直近の性感染症の診断(0.64%)、コンドームまたは潤滑剤による不快感(0.85%)、潤滑剤によるパートナーの不快感(0.21%)、パートナーの尿路感染症(0.21%)であった。性感染症の症状または直近の診断は、対象者の自己申告によるもので、研究開始時に性感染症の検査は実施していなかった。そのため、報告された性感染症の中には、コンドームを使わない性交によるものか、本製品の使用開始前に生じたものも含まれている可能性があることをFDAは報告している。
One Male Condomは、デノボ(De Novo)申請の審査を経て承認された。この申請は、リスクが軽度から中等度の新しい医療機器で、比較対象となる同等の機器が存在しないものを対象としたもの。Lias氏は、「われわれは、さまざまな集団のニーズを満たす安全かつ有効な製品の開発を通して健康の平等性を推進することを優先事項としている。今回の認可は、この目的の達成に役立つものだ」と述べている。(HealthDay News 2022年2月23日)
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https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-permits-marketing-first-condom-specifically-indicated-anal-intercourse