フォーミュラリ―への取り組み当初、「ほかの大学病院と比べ、こんなに後発品を使わされているのに、薬剤部はさらに制限をかける気か!」。そんな医師からコトバは辛かったと、小池博文氏は振り返る。横浜市大病院では2003年から後発品の積極的な導入を進め、2018年から院内フォーミュラリ―構築に本格的に取り組み、いまでは対象は22薬効群ほどに広がっている。
第1推奨薬と決めた薬剤については処方の7割ほどに達し、薬効群によっては第2推奨薬が使われていない例もあるが、その経済効果は年間2,000万円程度にとどまるという。しかし「地域に広がれば桁が違ってきます」と、地域展開によるメリットを挙げる。また、病院と診療所とでは治療目的が同じでも、使う薬剤が異なることもある。従って、入院時に持参薬の確認業務は必須であり、「すごく無駄な作業をしている」と指摘する。数値化は難しいとはいえ、地域フォーミュラリ―による地域医療の“質・効率性・安全性”担保を、メリットに挙げる。
現在、地域フォーミュラリ―では代表的な山形県酒田市のほか、大阪府八尾市で取り組みが始まる。小池氏の地元・神奈川県では横須賀エリアで取り組みが始まりつつあるなど、この1~2年で全国5つのエリアに“地域”は広がると予想する。その共通点は、いずれも地元薬剤師会が医師会への対応を含め、熱心に取り組んでいること。そして地域自治体の積極的な支援体制を挙げる。
今後、「国産原薬」「流通安定性」などの要件を重視した地域推奨薬の検討、決定が望まれるが、昨今の品質・流通問題を背景に、「AGでいいのでは!」という声も聞かれ、地域フォーミュラリ―をめぐる状況は複雑だ。小池氏には、医師への説得など実経験を踏まえた院内フォーミュラリ―構築の経緯やポイント、地域展開する上での課題、現状と展望についてお話し頂く。乞うご期待。
日時
2022年6月16日(木)15:00~17:00
会場
ビジョンセンター日比谷(千代田区有楽町1-5-1 日比谷マリンビル3階)
(オンライン含むハイブリッド方式講演会)
演題
フォーミュラリー “院内から地域へ”の課題と展望
講師
小池 博文氏(横浜市立大学附属病院薬剤部 副薬剤部長)
参加費
会員(無料)、非会員(リアル、オンラインとも3,000円)、学生無料
出欠のご連絡
6月13日(月)までに、田中(t.tanaka@ytl.jp)宛てにお願いします。
※お申し込み時にリアル参加希望かオンライン参加希望かを教えてください。
※オンライン参加のご返事を頂いた皆様(会員・非会員)には、15日(水)にZoomの参加用URLを送ります。
当日の連絡先 080-3086-8607
※リアル参加(90名収容の会場)は会員優先です。
※非会員の参加希望者には、事務局より18日に参加用URLと口座番号をお知らせします。5月中のご入金をお願い致します。
※随時会員募集中 t.tanaka@ytl.jp
主催
医療・医薬品情報研究会
事務局・連絡先
学校法人 医学アカデミー 薬ゼミトータルラーニング事業部
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-18-3錦三ビル5階
専用ダイヤル 03-5577-4907
担当:田中・秋山